野草料理は断然「植物図鑑」で

ワケの分からないタイトルになってしまった。

自分的はものすごくシックリ馴染むのだけど。

植物図鑑」(有川浩著)を読んで、今、結構ほんわかな心持ち。この気分が薄まらないうちに、レシピ本にも勝るこの小説を紹介しようと思うのです、ハイ。

少々ネタバレありなので、前半の段落は読み飛ばしてくださった方がいいかもしれない。

でも、書かないワケにもいかないので。

内容は、料理の腕も興味もないうら若い女性が、メチャクチャ植物に詳しい行き倒れのオトコを拾ってしまい、共同生活が始まる。

彼はよくしつけられた犬のように礼儀正しく、何事も起こらない。

そのうち彼は女性を野に連れだし、植物、特に食べられる野草を熱心に採り、ウンチクをたれる。

持ち帰った野草を彼は見事に料理し、次第に女性もその楽しさに目覚め…、って感じで話は進む。

本文中、彼が料理をするくだりは結構な行数を使い詳しく書かれていて、料理経験のある人なら、この文章だけでも同じようなものが作れそうな程。

2人で仲良く食す場面では、「××との組み合わせが美味しそう」とか「今度は××にしてみよう」とか、会話の中にヒントが沢山。

奇しくも今年5月に、「植物図鑑」に出てくるほとんどの山菜を友人にもらったのだけど、全く生かし切れず、苦手(食べる方じゃなく、作るコトに)意識だけを残して終わってしまった。

いや、ワラビのあく抜き用灰の扱いを間違えたのか、鍋を1つ台無しにするオマケつきだっけ。

料理本やネットで充分調べて調理したのだけど、全然ダメだったのは、本当の美味しさの勘所が分かっていなかったからだと思う。

「植物図鑑」の本文中(最後の方のページにレシピあり)に語られる作り方には、分量や手順がレシピ本のように書かれているワケではないけれど、鍋を前にした自分が想像できるし、こうやれば美味しくなるんだ!と分かる気がした(イヤ、本当はどうかわからないけれど)。

そんな嬉しいショックを受けた本なのでした、これは。

でも、料理のスキルに走った物語ではなくて、とても穏やかで優しい恋愛小説。

彼がもうメチャクチャステキで、恋しちゃいそうなくらいステキで…(笑)。

私の好きな性質を全て持っている彼はいったい何処にいるんだ!と思って、有川浩氏の本をごっそり図書館に予約した私。

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