下関出身の私には、懐かしい風景と暗い記憶が混ざり合った複雑な気分となる映画だった。
朝鮮半島に近いこの地は、なぜか差別の意識が強く、幼い時からその雰囲気を感じていた私は、安美里(鶴田真由)の暗く強い佇まいがわかる気がする。そして、安川修平のひたむきさや不遇や後半の人生のあり方も、なるほどそうなるかも……と思うのでした。
創氏改名には、屈辱と差別からの避難という両面があったと思うが、ともかくそうしなくては生きにくい時代と場所だったわけで、映画の底を優しくもどんより流れる陰のようなモノが、ちょっと辛かった。
鑑賞直後は、藤井隆(結構好き)に物足りなさを感じたけれど、感想を書くうちに、どこか思い切れない芯の足りない感じは、安川修平のおかれていた逃げ場のない場所からくる身構えであったか、と思うようになった。それにしても、藤村志保はステキでした。あんな人になりたい。
(新宿 シネマミラノ)
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