やはりシェークスピアは言葉の天才らしい。翻訳されているとはいえ、気持ちを捉える言葉(人や物を見る目と、それを表現するコトバ)が随所にみられる。
さて、映画だが……。「1ポンドの肉だけで、血の一滴も許さない」という、有名なくだりしか知らなかった私は、なるほどこうしてこの場面になったのかと納得。がしかし、何だか思っていたのとは全然違って、これではシャイロックが気の毒過ぎる。
最後は改宗まで言い渡されて、これ以上ない孤独に突き落とされるが、そんなにまでされるほどシャイロックに非があるとは思えない。というよりも、侮辱や不自由に耐えてきた彼のそれまでの心持ちや、光でもある娘に裏切らぎりのように去られた事を思うと、命を奪うような判決へ向かった事に同情を禁じ得ない。立場が逆転して、アントーニオがユダヤ人だったらそもそもこんな裁判にはならなかった訳で、その意味でも、差別があぶり出された気がする。
映画の内容からはそれるが、昔からなぜこれほどまでユダヤ人は嫌われるのか。度を越すほど民族として嫌悪される理由はどこにあるのだろうか? 勉強不足で私にはわからない。
(新宿 タイムズスクエアー)
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