トラウマを抱え生きることにさえ困難を感じさせる短大生の香折と、一流企業のエリートサラリーマンの橋田浩介。傷つき変形した香折の日常から目が離せなくなった橋本。彼自身もエリートでなくなる日は近く、苦悩の中で同僚を失い、職も辞す。
大きな動揺に見舞われた香折を見守る事で生きる力を維持するような日々。そんな最後のエネルギーを与えたのが、与え続けられた香折であった。
恋人・ツ黴瑠衣は、『僕の中の壊れていない部分』の枝里子なのだろう。自分をコントロールする、という意味では出来すぎの感もある瑠衣。度々橋田の行動に傷つけられながら最後まで自分を律することを止めない悲しさがあった。
(白石 一文著)
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