絶望の中から生まれたような人生。わずかな光として父親の手渡す人形や娼婦たちとのひととき、ボクサーとの恋。しかし温かなものから遠ざけられる運命を背負ったかのように、どれをも失っていく。圧倒的な才能とは裏腹にそれを全うする成熟を最後まで得ず、朽ち果てるように死んでいく。自身を律する術をしらず、自堕落で傲慢な時間が更に彼女を苦しめる。病床のシーンで、すっぽり抜けていたデビュー前の不幸も彼女を苦しめ続けていた事を知る。義妹は本当に義妹であって、結婚も初めてではなく、子も失っていた。
時間の構成がやや煩雑で、理解しにくい場面もあったが、そのまとまりの無さまでピアフの人生のようだった。混乱し続けて生を終えたようにも思えるけれど、さて……。
(新宿 武蔵野館)
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