東西冷戦当時の東欧は、私にとって謎だらけの世界だった。そんな時代に外交官としてプラハの春を体験した著者が、整理された文章で綴った緊迫の日々。これは小説なのか、と何度も思った。小説ではあるが、歴史の事実を丁寧に追って、時に歴史の本を読むように話が進んでいく。
ドゥプチェクを中心とした流れの中、少しずつ解放に向かう体制と、その裏に渦巻く別の動き。チェコを取り巻く東欧各国の思わく、ソヴィエト侵攻、国民の無念が、作り話とは思えない真の迫力で迫ってくる。ヤン・パラフの悲劇や外交官堀江と反体制活動家カテリーナの悲恋など、事実との境目が解らないほどの充実ぶり。
これでやめるワケにはいかない。またも長女の置きみやげ、『ベルリンの秋』に突入する。
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