映画 『サルバドールの朝』

フランコ独裁政治下のスペイン、暗い画面と人々の表情が抑圧された空気を感じさせる。文学を愛すごく普通の青年サルバドールも多くの若者同様反体制運動に関わり、運動的にも精神的にも深みにはまっていく。

深い精神を持った闘争に至る前に、銀行強盗で資金を稼ぐ逸脱した道に進み始める。そんなさなか誤って警察官を撃ってしまったサルバドールは捕らえられ、不完全な裁判で死刑を言い渡される。死んだ警察官の体には、サルバドールが撃った以上の弾丸(同僚の弾丸?)が残されていたのに、圧政下ではそれも問題にはされない。

判決後から、サルバドール自身の身の処し方、4人の姉妹の明るく健気な励まし、弁護士の勇敢な活動、黙する父の姿、反感を友情に変え気持ちを沿わす看守、すべてが価値ある行動に思える。一方、憎しみしか知らぬ警察官の非情な仕打ち。

異常の社会を皆知っているのだと言いたげな、サルバドールの墓に手向けられた多くの花が印象的。そして今も家族は裁判のやり直しを訴え続けている。

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