本 『プラハの春』(上)

歴史にも政治にも疎くて、情けないけれど「プラハの春」だってほとんど言葉しかしらなかった。関係が難しすぎてアタマがパンクしそうな世界だし。でも、物語に埋めて、解るように書いてあれば(とても簡単に整理されていたとしても)、やはり歴史の重み分の面白さはあるのだった。

この小説は、「プラハの春」当時、外交官としてチェコスロバキア大使館に在勤していた著者が、体験をもとに書いた処女作。カテリーナとの恋はともかく、そのまま堀江亮介の
視点をもって過ごしていたのか? 「体験をもとに」と知れば、あの激動の時を、外交官として母国の国益のために働く気持ちはどんなだったか。行間にも多くの思いが詰まっていそうな気がする。

横軸が歴史・政治なら、縦軸は紛れもない人の生き方。真摯に生き抜こうとする人々の葛藤の中にすごい力を感じ、引き込まれた。外交官という仕事も大使館の役割も初めて知ったような……。

そんな硬質な展開の中、オアシスのように、時に音楽の話が実に美しく語られる。クラシック音楽にも疎い私だけれど、その情景にうっとり。図書館に行ったついでに、CDコーナーを覗いたらスメタナの「わが祖国」があった。見れば、作中と同じノイマン+チェコ・フィルハーモニー管弦楽団のもの。ウォークマンに入れて(スピーカーで聴くより何倍も音が良い)、機会ある毎に楽しんでいる。出だしのハープの部分を聴いただけで、もうアタマが別の世界に行ってしまいそう。

以前ものすごく感銘を受けた小説「存在の耐えられない軽さ」のミラン・クンデラの名が一カ所だけど出てくる。この後はこの小説とリンクするのか……とかいろいろ想像される。

先が楽しみ。

なのに、下巻は行方不明。これは長女の買った本で、彼女の性格からして上巻のみ、って事は考えられないのだけど。うち本(約3000冊)の中から必死に下巻を探したけれど、ダメだった。疲れてしまって、とりあえず図書館に予約。3人待ち。待てるかなー。

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • 下巻絶対あるよ。ベルリンの秋も上下あります。どこにあるのかはナゾだけど…。両方とも一気読みした。

    自分の国のことだってよくわかってないのに、他国の複雑な歴史や因果関係、政治問題をわかりやすくまとめ、かつ娯楽小説に仕立てた著者に脱帽だなー。

    私も最近たまにクラシック聞くよ。もらったCDとかだけど。

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