夫の暴力で萎縮した生活を送る33歳の杏子。ガーデニングに安らぎを求め、その過程で不倫も経験する。ちょっとちぐはぐな流れになっているのが惜しい。ワクワク感を秘めながらも、そのところどころで消化しきれない思いを抱いてしまった。最大の問題は、愛していない夫から暴力を受けながら、そこに留まる経済力のない主婦という存在。この部分だけでも、そうとう深く書かないと杏子に気持ちを乗せる事は難しい。ガーデニングへの取り組み、不倫旅行の決行、それぞれに共感できる程の深さが足りなかった気がする。
パセリをトイレに流すくだりと、夫の食事を毎夜流しに捨てる部分は矛盾しないか? 不倫相手や親友との繋がりにもごまかしがないか……なんて、厳しい目で杏子を見てしまうのは、こんな生き方はいやだナーと思うからなのでしょう、多分。
(渡辺 容子著)
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