図に乗ってしまった。いくら薬が完璧に効いているといっても、やっぱり続けて2本は辛かった。特に2本目がこの映画じゃ、疲れ倍増だわ。
のっけから暗~い画面にとりとめのない会話。実は、離婚を決意した夫婦が、友達の結婚式に出席するためパリに来る車中。ホテルの部屋だって、わざわざエクストラベッドを借りて、別の部屋に寝る2人。結婚式前夜、別の友達との食事中、夫ニコラ(ブリュノ・トデスキーニ)がつい離婚の事を言ってしまう。エクストラベッドを用意する割には、2人の関係は壊れきっているとも思えないのだけど、ニコラの失言(?)で、妻マリー(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)は何もかもがイヤになったように、夫に当たり、1人涙する。そして、聞こえない声で「ごめんなさい」と。
はやり2人は全然壊れていなくて、ただお互いの不完全な部分が気になりだして、それからどうにも目を離せないという状況に陥ったらしい。マリーは無類の感受性の強さ。それが魅力だけれど、対峙する立場に立てば結構辛い性質かもしれない。美術館で、偶然子連れの旧友に会う。旧友の妻(未知の)が数年前に亡くなったと聞き、激しく動揺する。でも、そんな部分をニコラは良く理解しているようで、結局マリーもニコラとの生活を選ぶ。
この映画は独特の雰囲気を持っていた。暗い画面(マリーがニコラをハンサムだわ、というがずっと後までハンサムぶりがわからなかった)、途中何度も真っ暗になり(フィルムが切れたのかと思うような)、ドキュメンタリーを見ているようだった。
人や関係が不完全なのは当たり前として、でもそれを許す範囲や質って何だろう? 疲れる映画だけれど、マリーの感覚に似たモノを私も確かに持っている、って思ったんだけど。
(新宿 武蔵野館)
コメント