映画 『しゃべれども しゃべれども』

出演者の芸達者ぶりには舌を巻いた。伊東四朗はアレくらいはヤルなと思っていたけれど、国分の今昔亭三つ葉はスランプ中とはいえ、なかなかの噺家のように思えた。村林少年に至っては絶句もの。

出てくる演目は「火焔太鼓」と「まんじゅうこわい」。これを何人かが語り、それだけでも愉快な気分にさせられる。話すコトにワケありの3人が、落語を習うことで突破口を見つけようと三つ葉に弟子入り。三つ葉は頑固親父を若くしたような、今どき珍しい雰囲気を持った青年。落語も古典しかやらないという、可愛い噺家。

すったもんだの末、それぞれに納まり場所を見つけていくが、三つ葉自身も噺家として飛躍し、ワケあり3人組の1人、もっとも手強い十河五月(香里奈)に心を近づけていく。

最後の場面、船の上で「うちに来るか、ばーさんがいるけどな」はものすごく落語的で良かった。複雑な人間とは縁がなさそうな、言ってみれば背中のない人間たちの集まる落語の世界。こんなオチで夫婦になるなんて、カッコイイわー。

(新宿 武蔵野館)

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