怖い映画は沢山あるけれど、独特の怖さのある映画だ。それは、主人公が何もしない普通の人という設定にあると思う。何もしない人が、何かをした人にされて追いつめられる状況。普通の人とは、とりもなおさず私なわけで、だからもうほとんど現実のような映画に思える。高校生に「この人です」と言われたかどうかの差しか思い当たらない怖さ。そのうえ、正しい事を見極めてくれるハズの警察や検察で、すでに決められていたように跳ね返される言葉や、認めてしまえば罪は軽いとあらぬ誘導をする関係者。
加瀬亮は、『硫黄島からの手紙』の鬱屈した演技も良かったけれど、今回の徹平役も静かに普通に演じていて、それが尚更どうしようも無さを感じさせて良かった。
(池袋 テアトルダイヤ)
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