本 『疾走』(上下)

胸が潰れた。小説ではあるけれど、こんな人生を送る人もきっといるのだろう。全てに見放された人生の後、小さな光を見つけそれを守り死んでいく。

「シュウジ」を「おまえ」と呼ぶ存在が、そのあまりにも短く辛い人生を鳥瞰したように語っていく。それが尚更シュウジの人生のどうしようもなさを深く伝えている。時に読まれる聖書の言葉は難しく、けれど現世の容赦無さを全身で感じているシュウジは、この言葉に救いや癒しを感じている。それほど追い込まれた状況という事なのか。

(重松 清著)

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