「ゆれる」吊り橋で繋がっているものは、兄と弟、都会と田舎、自由と束縛、輝かしい存在と平凡な佇まい……。その間を渡りきろうとした智恵子は、川へ消えていく。そこから写真家として都会で活躍する弟と、実家でしがらみにの中に暮らす兄の関係が大きく変わっていく。達観したような兄の心は実は激しく鬱屈していて、裁判の進行や弟の接見でその一面を見せていく。
事故か故意か、その場面の映像がないので、実は今も私は本当のところが判らない。「兄を取り戻すために本当の事」を言った弟だが、本当の事って何だろうと思う。智恵子を橋から落としてしまった事? 弟の悪意すら感じる川への誘いや、思いっきり2人それぞれを傷つけ河原に置き去りにした弟はすでに2人を軽んじるというカタチで誰よりも加害者なのに。
(新宿 武蔵野館)
コメント