圧倒的な視野の狭さが松子をドンドン幸せから遠のかせる。家族や仕事やそれぞれの場面で、小さな傷やほころびを、ちょっと一押しして自分の手の追えない大問題にしてしまう因果な性分。松子の末路は惨めなもので、ゴロゴロ坂道を転がり落ち、その先にあった石にぶつかり朽ち果てた、そんな一生である。
どこかで救いのチャンスがあるかと言えば、それは難しいだろうと思わせる松子の発想。こんな嫌なタイトルを付けられる程に救いがない。一時の情熱や充実はあっても育てる事ができず、成就の先の幸せを知ることがない。縁が薄いとはいえ甥っ子にその姿を残せた事がせめてもの救いと言えなくもない。
(山田宗樹)
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