それぞれに問題を抱える3姉妹と施設で暮らす母親の、何とも重い話。父親の自死にまつわる話や、どうも一筋縄ではいかない母親の性格からなのか、所在なげな印象の3人。長女は夫の浮気で自分を見失っているし、次女は恋愛もせず母親の世話に通う日々、三女は友達の父親でもある大学教授と不倫し、別れを告げられている。どこかエキセントリックな雰囲気の3人。思うような人生をおくれず、悶々と日を送るが、父の死の、元々の原因となった男が次女に当時の経緯を話した事で風向きが変わってくる。
父親は全く潔白であった。それを知ってか知らずか母親は告訴した。だが、母親にはその事件よりも父親から遠ざかりたいための処置であった事が次第と判ってくる。父親の潔白は、娘たちを幾分明るくし、久々の再会も果たす。母親へその報告のために向かうが、母親にとっては当時からどうでもよい内容であったのだから、さしたる反応もなく、ただ娘3人が揃ってきてくれた事に「愛されている」と不気味に微笑むのだった。ナゾを残すこの言葉。当時、母親が何を求め画策したか不明だけれど、気持ちを苦しめていた1つ、父の事件の真相が少なくとも娘たちには人生の朗報となった。
三女の不倫相手の教授が、大学の講義で話す偶然と運命の違いが映画の底を流れているような。つまり、偶然起こった夫の事件(?)を運命に変えてしまった妻がいて、その運命にねっとりと支配され、幸せと縁遠い子どもたちを作ってしまった……、考え過ぎかしら? そこはかとない怖さのある作品だなー。
(ル テアトル銀座)
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