『寝ずの番』

津川雅彦が、大御所の親戚マキノの名にちなんで、マキノ雅彦として監督した第一作作品。

「しゃれのめす」とは、こういう事かと納得。死も下ネタも笑い飛ばす大らかな落語家一家の話。普通社会的には笑い飛ばせない事も笑い飛ばす。天皇崩御の日に落語をした話や、大本営のラジオ放送をそのまんまの雰囲気で下ネタ笑い話にしてしまう見事な感覚(監督の)。

誰よりも大切な存在の師匠だけれど、時に弟子から軽く扱われる事もある。そんな時、言葉と迫真の演技で、敵討ちするその落語家らしさが素晴らしい。そんな話が延々と続き、私は笑いと爆笑を行ったり来たり。落語「らくだ」を経験したいと、死んだ師匠を引っ張り起こし、皆でカンカン踊りをする場面は圧巻。死人がステップを踏んだり、一瞬(結構長い一瞬)一人で立っていたり……。他に小さなエピソードがてんこ盛り。さらに「そうそう……」と愉快な思い出話も出てくる。とってつけたような展開だけれど、笑いの波が自分の中に出来ているのと、演技の上手さにやっぱり笑ってしまうのでした。

どっぷり落語の世界につかった気分。

(銀座 シネスイッチ)

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