イニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)は、ブロークバック・マウンテンで羊番の季節労働者となる。夏の数ヶ月、2人だけで過ごした山の中で友情以上の気持ちを持ち合う。仕事が終わり、故郷に帰った2人はそれぞれ結婚するが、互いを思い続け4年後に再会。再開後は、ブロークバック・マウンテンで水入らずの自由で愛に満ちた数日を時々過ごすようになる。
積極的にイニスを求めるジャック、控えめながら情熱的にジャックに接するイニス。同性愛が奇異なモノと受け止められていた時代。自らも許されない関係だと思っている2人の苦悩は大きい。特にイニスはその辛さゆえ、確信犯的な態度で妻との離別の道を選ぶ。
辛く苦しい人生を救ってくれたのが、ジャックの死だったとは……。時代を思えばそれ以外に逃れる方法はなかったかもしれないが、やりきれない思いが残る結末だ。
しかし、映画の結末はここではない。残されたイニスが在りし日のジャックを求め、そこからジャックと共に生きるという気持ちに辿り着き、ジャックと愛し合った事を心から受け入れた生活をするようになる。
今の時代でもこういう愛は辛さを伴うと思うけれど、あの時代の否定的な空気の中で生きてきた人間が、その愛に出会ってしまった。周囲に許されない愛は沢山あるけれど、自分をも説き伏せなくてはいけない愛は辛すぎる。
(新宿 武蔵野館)
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